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Author:鴫沢(しぎさわ)まり
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夏の歌

春過ぎて夏来たるらし白妙(しろたえ)の
      衣干したり天(あめ)の香具山       持統天皇(万葉集)


悪いこと考えた日の白い帽子           新井恵子


夏休み声の大きい母が居る            サオリン


西日暑き土間の机に人励む
    かいま見しより何のあくがれ       高安国世


あの夏の数かぎりなきそしてまた
    たった一つの表情をせよ         小野茂樹


慰霊地は今安らかに水たたふ
    如何ばかり君ら水を欲(ほ)りけむ    美智子皇后


夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡        松尾芭蕉


やがて死ぬけしきは見えず蝉の声         松尾芭蕉


ふたたびは帰らず深き蝉の穴           阿波野青畝








夏、真っ盛りですね。
四国出身の私は、夏になると、壇ノ浦に滅んだ平家のことを思わずにはいられないのですが、
なんとなく夏という季節は、歴史や、昔のことを思い起こさせる季節のような気がします。
春も、新年度が始まることの対比という形で、過去を思い出させるところがありますが、
秋と冬にはそういうことを思わないんですね。
昔は、お盆を過ぎると、朝夕涼しくなって、大好きなスイカも食べたくなくなったものですが、
今は、下手すると10月頃まで暑かったりしますし、
そこからいきなり寒くなって、「秋は来たっけ?」という感じで、損した気になります。
以前は、夏の終わりは、大好きな季節でした。ちょっとアンニュイで、独特の感傷を誘いました。
「朝寝、昼寝、夕まどひ」といいますが、夏の終わりの夕まどひは、至福のひと時でした。
畳の上にごろりと寝転がって、ひと眠りするのが最高なんですよね。
弱くなった日差しと、涼しくなった空気を感じながら。
かつての夏は、ゆっくりと手を振りながら去って行ったものです。
最近の夏は、さよならの挨拶もせずに、いつの間にか帰ってしまった客のようです。
マナーも情緒もあったものじゃありません。
ただ、私はひどく暑さに弱い体質なので、夏を心ゆくまで味わい、楽しんだという経験がありません。
いつもただただ過ぎ去ってくれるのを待つだけです。
そこがいつも心残りなんです。


追加

あふむきの蝉を起こせば飛びゆけり
   よけいなことをしたかもしれぬ        小島ゆかり
























 
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<< 獅子座の季節によせて  【BACK TO HOME】  ちょっと不思議な気分にさせられる詩 その2 >>


◆ コメント ◆

「Re: 夏の歌「せみ」」


> かんのさん
コメントありがとうございます!

早速、聴かせていただきました。
いい歌ですね。
私は、せみが大好きです。せみになりたいくらい。
人間は長生きし過ぎで、
良くも悪くも、知恵が働き過ぎて、かえって自身を苦しめているような気がしてなりません。
せみのように、シンプルに生きたいです。


「夏の歌「せみ」」


こんにちは。

素敵な夏の歌の数々ですね。
もしよろしかったら、ラビオリの夏の歌「せみ」もぜひお聴きください。

https://www.youtube.com/watch?v=Nux_9woBzCw

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